老いるということ

高齢者を支える人たちに伝えたい実情を語っています

メンタルが不安定になりやすい高齢者の実情

高齢者は様々な要因からメンタルの変化が起きやすいです。
メンタルが変化する要因の1つに、日常生活の喪失体験が挙げられます。
例えば、定年を迎えることもその要因になり得ます。


実際、仕事を引退した後、社会的地位と経済的基盤の喪失を感じ、生きる気力を無くしてしまうケースは少なくないのです。
仕事一筋の人であればなおさら、社会への参加や活動の機会を失い、閉じこもりがちになる場合があります。


そして子どもが自立して自分の元から離れた後、遠方にいて関わる機会が少ない場合は孤立感が生まれます。
子どもとの社会的地位の逆転もあり、葛藤が起きやすくなってメンタルに変化が出てくるケースもあります。


また、高齢になると配偶者や友人との死別も増えてきます。
大切な人の死は、特に大きくメンタルに影響を及ぼします。
特に長く付き合ってきた家族の死は、そう簡単に立ち直れるものではありません。
中には、塞ぎ込みがちになってうつ状態に陥る高齢者も多くいるのです。


さらに、自身の病気や身体の衰えによってもメンタルは左右されます。
病気への不安感、意欲の低下などを引き起こすことで、感情表現も乏しくなってしまいます。
こうした様々な喪失体験によって、メンタルは徐々に変化していきます。


高齢者には上記のような背景があるため、介護の場面では些細なメンタルの変化を見逃してはいけません。
ちょっとした変化でも、SOSを出している可能性があるからです。


高齢者のメンタルに寄り添う上で大事なのが、本人の話をしっかり傾聴し、肯定してあげることです。
メンタルに変化が起きると、マイナスな感情を抱きがちになります。
本人が自信を持てない分、周囲の人が肯定することが大切なのです。
本人と積極的に接して、自己肯定感を支えることを意識しましょう。
高齢者のメンタルケアに役立つ情報が以下のサイト(http://mentalcare-kaigo.com)に記述されていたので、こちらも参考にしてみてください。